生意気毒舌年下男子
「お父さんの仕事は…何しているの?
この間一子さん、邪魔しちゃ駄目って言っていたけど」
「父さんは無職だよ。
仕事の邪魔って言うのは、アッチの意味だよ」
「アッチ……?」
「あの時、家に鏡花さんいたみたいなんだ。
父さんが愛人といるってことは、そこそこアブナイ真似していたんだろーな」
クスッと自分でもわかるほど意地悪く笑うと、幸来は目に涙をためた。
「何で泣くわけ?」
「早乙女くんが…可哀想だよ……」
俺が?可哀想?
「そんな理由で家を追いだされて。
良かった…あたしの家が隣で」
ニコッと泣きながら笑う幸来。
俺は人差し指でその涙を拭った。
「泣かないで」
「…グスッ」
「俺のために、涙なんて流さないで。
勿体ないから……」
俺はそっと、幸来を抱きしめた。
そうだ。
誰の子かもわからない俺のために、流す涙なんていらない。
勿体ない。
純粋な幸来の涙は、幸来の愛している誰かのために流してほしい。
俺なんかより、久遠先輩のために流した方が…良い。
俺は幸来にキスをした。
幸来は驚いていたけど、俺からのキスを受け止めた。