色恋 〜Colorful Loves〜
「たまたま二人で同じもん注文してさ。

クリームソーダなんて頼む大学生、あんまりいないもんな。

そんで、鈴木先輩から、『お前らホント気が合うな、もう付き合っちゃえよ』って言われて」



「隆也、みんなの前で公開告白させられたんだよね」



「そうそう! あれは恥ずかったな……」



「告られた私も恥ずかったけどね」



「お前、顔まっかっかだったもんな」



「あんたこそ噛みまくってたじゃん」



「しゃあねぇだろ、緊張してたんだよ」



「あんたにも可愛い時代があったね」



「ああ、若かったよなぁ」



「って、オッサンか!」



「ま、四捨五入したら三十路だしなぁ」




ぽんぽんと言い合いながら、それを心地よく感じる。


隆也と話すときの、こういう空気感が好きなんだ。




きっと、40になっても50になっても、おじいちゃんおばあちゃんになっても、この空気感は変わらない気がする。



なんて思いつつ、私たちはいつまでもお喋りを続けた。






クリームソーダ * Fin.




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