色恋 〜Colorful Loves〜
けいちゃんは顔を背ける。



でも、その可愛い耳たぶが真っ赤に染まっているのを、僕が見逃すはずはない。



「けいちゃん、なに照れてんの」



にやにやしながら言うと、けいちゃんの肩がぴくんと跳ねた。



「照れてないっ!」



顔を背けたまま言うけいちゃん。



「うっそー、耳まっかっかだよ。かぁわいい〜」



つんつんと小さな背中を突つくと、けいちゃんは両手で頬を押さえたまま振り向き、僕をじろりと睨んだ。



「キモいキモいキモい」



「とか言って、僕のこと大好きなくせに」



「んなわけないでしょ、大っ嫌いよ」



「ええ〜………」



僕のガラスのハートは、さらに粉々に砕けた。





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