俺22歳、アイツ3歳2ヶ月
車はいつもの様にマンションに着いた。

昨日とまったく変りの無いそのマンションが、大きな氷の塊がそびえ立つかの様に感じて

優の存在の温かさを実感した。



『みといてよ。みといてよ。』

何度もそう叫びながらジャンプしていた階段・・・


『ぼくが、ぼくが・・・』

と必死に押したがったエレベーターのボタン・・・



どれもが懐かしく切なく俺の胸に突き刺さってきた。


すべてが


すべてが


昨日とは違って見えた。



すべてが

淋しそうに佇んでいるように見えた。



そして、俺自身が


一番、淋しく佇んでいた。


少しでもそんな自分を吹き飛ばしたくて、また俺は車を走らせていた。
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