俺２２歳、アイツ３歳２ヶ月

優と

「優！行くぞ。」

靴下をモタモタしながらはいている優に気付かずに俺は隣の部屋から声をかけた。


その声に焦ったのか、優は履きかけの靴下の先がプラプラしたまま慌てて出てきたが


そのプラプラに足を捕られてバタンっとこけた。


「イタイ・・・。イタイヨォ」

膝をさすりながら俺の方を恨めしそうに見つめている。


痛いのはわかるけれど、なんだかその姿が滑稽で可愛く感じて笑ってしまう。


そんな笑っている俺を見て優はスネタ様にソッポを向きながらまた足をさすっている。


その小さく丸まった淋しげな背中がまた可笑しい。



「どこが、痛かったんだよ。」

そう自分で言って、フッと沙月の姿が俺とかぶった。



こんな風に毎日、俺の知らないところで親子をしていたんだな・・・。


そう思いながら痛がる膝を俺はさすってやった。



そして、自分で穿こうとして出来なかった足の甲に靴下の踵の部分が重なっているそのおかしな靴下を直してやった。
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表紙・目次

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