蒼色ルーム



「ねぇ、校門にいるのって、北里のこじゃない?」



クラスの女の子がボソッと言う。
…北里…ってことは紺なのかな。



「すっごいかっこいいー」

「あーこっち気づいたんじゃない?」



だんだん騒がしくなっていく。
紺だったとしたら…制服で来たの?



「誰を待ってるんだろうね」



…私は窓の外を見てないからわからないわけだし…。紺じゃないかもだしね。
私は片付けを始める。



「なぁ、遊佐。外にいるの田宮だぞ」

「……え?」



紺なの?だとしたらなんでいるの?家で待ってたらいいのに。
桜木に言われても無視し続けていると携帯に電話がかかってきた。



「は…い。もしもし?」

『おい、葵。早く降りてこい』



…やっぱ、校門のとこにいたのは紺。電話の会話では上からだし。



「片付けしてるから遅くなる」

『……っち。わかった』



紺は舌打ちと返事をすると電話を切った。
…うわぁ…なんか、今の舌打ちとか懐かしいなぁ。出会いたては私達、すっごい仲悪かったよね…。
私は昔のことを思い出しながら片付けを進めていく。
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