片道キップを二人分



斗真を感じられない日々。
拒絶されても尚、あたしは斗真を求めてしまう。



それは理屈じゃなくて、自分でもどうにもできなくて苦しかった。
幾夜も幾夜も泣いて過ごし、雷の夜には頭から被った布団の中で、身体を丸めて歌い続けた。



好きでもどうしようもないんだ、ということを、あたしの頭は少しづつ理解するのに、心には大きな穴が開いたまま。



時々、斗真が何か言いたそうにあたしを見つめているのには気づいた。
でもあたしは知らん顔をするしかなかった。



あたしの心の中には、斗真を罵る言葉も、詫びの言葉も何もなくて。
ただ、斗真を好きだという想いだけが溢れていたから。



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