私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~





「とゆ-わけでっ 今度の演劇祭は話題の新作『ローズガーデン』に決まったから!!」

「てゆ-か なんで瑠衣さんがここに居るんですか」


静架と連れだってやって来た部室では、次の舞台のミーティングが既に始まっていた。


熱視線を送る部員たちの円中心で、声高に台本をちらつかせるのは、あの人しかいない……。



「笹木先輩、復帰なさったんですか…?」

静架が控えめながらも胡散臭そうに尋ねた。

「ほんと。生徒会の仕事に行った方がいいんじゃないですか」


この人に関わってろくなことがあった試しが無い。


しかし瑠衣さんは、私たちのあからさまな態度にもめげず、笑顔で肩なんか組んでくる。

私は慌て静架を庇った。



「ったく、遅れて来た人にあれこれ言う権利なんて無いんだからね。──私がここに居るのは、脚本家として劇に関わってるからなの!!」



────へ?



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