私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~

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あれから二年。



私は白百合女学園の二年生…もうすぐ、三年生になろうとしていた。




「千雪-!早くしないと先輩たち行っちゃうよ-!!」





今日、私の大好きな奈緒先輩が、卒業する。






でも不思議と悲しいっていう気持ちはなくて、むしろ笑顔でおめでとう!と言いたい気分。


かといって、全く寂しくない、と言えば嘘になるけど…。







演劇祭の日以来、私は薔薇園には立ち寄ってはいない。


あの時は思いきってキスまでしてしまったけれど、奈緒先輩のことを考えると眠れない日だってあった。


傷は簡単には癒えない。




でも、時間がなんとか癒してくれた。



廊下で姿を見掛ける度、胸が焼けそうに熱かったけど、次第に会釈さえ出来るようになった。







私は大丈夫。






奈緒先輩に出逢えたから、灰色の高校生活が色で溢れた。


後悔なんて無い。






奈緒先輩が好き──それだけでどんなに幸せになれたか、気が付くことが出来たから…。



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