私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~




薔薇園って、庭なんだから、そんなに分かりにくい所には無いと思う。


だけど…瑠衣さんに言われた場所へ来てみたけど、
これは、薔薇園と言っていいの?





私は今、なんかもさもさした緑の生垣の前に立っている。


何ヵ月も手入れをしていないような長さがバラバラの生垣。

鬱蒼と生い茂った深緑は、お世辞にも美しいと言い難い。



「これ…本当に“薔薇園”?」

薔薇なんて見えないんですけど。


もしかして瑠衣さんに騙されてる…?と思いつつ、生垣を掻き分けながら緑の中に足を踏み入れる。




一歩入れば、そこは迷宮だった。






(何ここ…たちの悪い冗談?)


そう思えるほど複雑な作りだと分かる。


今目の前に広がっているのは三本の道(と言ってもいいのだろうか、単に他より緑が少ないだけだ)…のみ。
しかしあの外観からして、更に深く道は広がっているようだ。




瑠衣さん…生徒会なら手入れくらいしなさいよ…


一瞬出ようかとも考えたが、ここまで来たんだし…と薔薇を探すことに決めた。


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