私立白百合女学園~少女たちの秘密の園~




「まだよ!まだ目を瞑っていて」

「えぇ-まだなの?足元が怖いんだから早くしてよ」

私は始終楽しそうな静架に手を引かれて、『良いところ』に向かっていた。


「驚かせたいから目を瞑って!!」と言って聞かない静架に、渋々ながら同意したのは……10分ほど前のこと。



真っ暗闇の世界とおぼつかない足取りで、私は若干苛ついていた。



「ねぇ、まだなの!?いい加減開けるよ!!」

「あっ待ってよ……すぐそこなの。──ほら」




言われるままにしてゆっくり、瞼を上げてみた。





「───…」




ここは………






「ね 綺麗でしょう?あなたを追いかけ回してるうちに、偶然見つけたの」


嬉々として飛び回る静架。



私は呼吸すら忘れて、その光景を眺め回していた。





潤む緑の木々。

艶やかに舞う蝶。


そして……

喜びに咲き誇る、色とりどりの薔薇の花。





ここは、
私が見付けたくて仕方がなかった、あの薔薇園だ──。


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