恋日和 〜キミに届かない恋でも〜



「だけど、告白の返事は……変わんねーだろ?」

「あ……。 嫌じゃなかった。でも、ごめんなさい」



あたしには莉子の気持ちを代弁することは、できないよ。

そこまで莉子の代わりはできない。
『好き』だなんて、伝えられない。



「うん、わかってる」



そう言って笑った三吉くんは、莉子の言うとおり、温かい笑顔だった。

そんな笑顔に、胸が少しだけ跳ねる。



「でも俺は、諦めねーから」

「っへ?」

「また友達として仲良くしてな、希子」



意地悪そうに笑った彼の口が紡いだ、あたしの名前。


それは莉子に向けての言葉なのに。
そうわかっていても、胸がまた跳ねた。



図書館の彼のことは、ただ気になっていただけだから、恋じゃない。



ーーあたしはこの人に恋はしちゃいけない。

だって、莉子の好きな人だから。



そう思うと、胸が疼いた。





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