恋日和 〜キミに届かない恋でも〜
* * *





オレンジ色の空の下、今日は図書館ではなく病院に向かっている。


莉子に会うのがすごく怖い。
……行きたくないなあ。



だけど、春馬に右腕を掴まれているから、重い足を無理やり進める。



「なんでそんな嫌々なんだよ」

「だって、怖いし……」



震えた声でそう言うと、春馬はため息を吐いただけで、なにも言わなかった。


春馬は、怖くないの?
だって、もしかして莉子は……。


考えるのさえ嫌になる。
いまはまだただの予感だけど、これから予感が現実になってしまいそうで。



そんなことを考えているうちに、気がつけばあたしは病院のなかにいた。


着くの、早すぎ。
もっと悩む時間が欲しかった。


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