奇跡の歌姫【下】




歌い出しは、最悪だった。




声も掠れ、音は外さないまでも、聴いていられるものでは無かっただろう。


これではダメだと思っても、いつもの驚異的な集中は来ない。



本当にもうダメだ、と思った。



両腕を下げ、スカートを握りしめた時に、それに触れた。


硬いビン。



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