奇跡の歌姫【下】
目頭が、熱くなった。
「つまり、何が言いたかったっていうと、和樹の為とか皆に喜んでもらおうとか、そんなこと考えずに歌っておいで。」
溜まっていた涙が、流れた。
「え…どうしたの?もしかして、怒ってると思われた?」
私の涙を掬って、私の頭に手を置いたけーちゃんに向かって。
「確かに私の1番のファンはお兄ちゃん。utaにとっての1番も多分お兄ちゃん。それでも、utaの1番近くにいるのはけーちゃんなんだよ。」
拙い言葉でも、届いたかな?