レイアップ


悔しさを隠し、なんとかクールな笑みを浮かべるおれを、やつは全部見透かしているようにただ黙って見つめていた。

「13番、早くコートからでなさい!」

審判がイラつきながら笛を鳴らす。おれは、せっかちな審判を一別し、ゆっくりとケイトに背を向けた。

振り替えると、山里はすでにコートに入り、キャプテンの大島たちと薄ら笑いを浮かべている。作戦成功とでもいわんばかりのやつらの顔は、どれも同じように見えた。

「さっさと出ろよ13番」

キャプテンの大島が、得意気に右手の親指で首をかき切るようなジャスチャーをして、そのままベンチを指示す。どうやらおれは透明人間ではなかったらしい。
どうせなら透明なままでもよかったのだが、おれはせっかく可能性のある試合をみすみす捨てたバカたちに、最後に一つだけ聞いておきたいことがあった。

「おまえら、勝ちたくないのか?」

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