巡逢~茜色の約束~
「俺……やっと見つけたよ。この世界に生きる意味」

「……!」



抗ったって否定したって、もう意味なんてない。

このぬくもりを離したくない、それが多分全ての答えで。



生きる意味は、美生への想い。

それだけで、十分な筈なんだ。



「……覚えてる?砂浜で話したこと」

「……うん。忘れるはずないよ」

「今ならもう、全部伝えられる。幸福な記憶も……忘れたいくらいの、痛みも」



身を抱き締める腕に力が籠る。



平気なわけじゃない。

傷が癒えるわけでもない。

それでも、俺は見つけた。

君と言う名の、光を。



「知ってほしい。俺の記憶の全てを」



君がいるなら、俺は生きていける──。



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