好きになんてなるわけねーだろ!!!


恥ずかしくなって、席に座り俯きがちにクリームパンをかじる。

光輝は、それを見てまた豪快に笑った。


「ははは!!お前は大人しいよりうるさい方があってるよ!」

『もー、光輝はこれ以上喋らないでー!』


私が言うと、光輝は「はいはい」と笑う。

もう、完全に遊ばれてる。腹立つ。


そのとき、急に近づいた光輝の顔。

驚いていると、光輝は、横からパクっとクリームパンをかじり、満足そうに頷いた。


教室は、一瞬静まり返りそのあと、女子の黄色い悲鳴に包まれた。

…てゆーか、なんでここで黄色い悲鳴?


「やっぱうめーな、これ。」

『でしょ!ホント、大好き!!』

「それを買ってきてやった俺のことは?」

『大好き、光くん!ははは』


このクリームパンを買ってきた行動が大好きだよ。

普通の光輝は、なんでもないけど★


「はい、いただきましたー、杏奈の大好き!」

『……にしても、美味いわーー。』

「切り替えはえーよ。ふっ、クリームついてる。」


光輝は自分の頬を指差してから、「じゃあな」と教室へ帰っていった。

< 15 / 277 >

この作品をシェア

pagetop