好きになんてなるわけねーだろ!!!

#17 俺の本音



杏奈のティラミスを食って、お土産にもう2つほど貰って。

俺は自分の部屋へと帰った。


『しっかし、美味いなー。』


そんな独り言をつぶやきながら、チョコがたっぷりの紙袋をベッドの脇に投げるように置いて、杏奈からもらったティラミスは机の上に置く。

どんだけもらっても、やっぱあいつのが、いや。あいつが1番なんだよな。


吹っ切れた、とも言えないけど。

忘れられたわけじゃないけど。


あいつは幼馴染、として考えられるようにはなった。

だけど。


袋から飛び出して床に散らばっているチョコを拾う。


今日は、告られても全部嫌だった。

チョコは好きだし、気持ちも受け止める。


杏奈を恋愛対象から消すために、これまでいろんな人と付き合った。

でも、俺の恋愛観に会う人は、未だに見つからない。



『だめだよなー、まじで。』

「お。分かってんじゃん。」


不意に誰もいないはずの部屋から声が聞こえた。


< 219 / 277 >

この作品をシェア

pagetop