好きになんてなるわけねーだろ!!!


『私、中学でハブられてたんだよねー。』


重い空気にならないように、出来るだけ軽く言う。

突然言った言葉に、杏奈は驚きを隠せない様子で固まった。


『あ、ハブられたって言っても、そんな無視され続けるとかキツイやつじゃないんだけどさ。』


……うそ。結構キツかった。


杏奈はぐぐっと、ジュースを飲んで、話を聞く。


『…私たちの中学はさ。派手ないじめとかは無いんだけど、一軍とか二軍とか。そういう上下みたいなのが結構はっきりしてたんだよね。』


一軍の人は、いつも楽しそうにやりたい放題。

例えば、班決めとか、そういうところでやりたいようにやっちゃうの。

二軍の人は、一軍には逆らえないから自然と三軍に当たるでしょ?

三軍からしたら、たまったものじゃないと、思うんだけど。


授業中とか、先生の前だとみんな上面だけ仲良くしてんの。

先生に言おうものなら、そのあと一軍になにされるか分かんないし、怖くてみんな言えなくて。

それが、当たり前になってる中学校だったんだ。

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