女子やってます


「お邪魔しましたー」

後ろ髪を引かれながら裕介と一緒に帰路に着く。


あぁ、千聖が心配でならない。

ソワソワするな。


「なぁ…桃井って神崎のこと好きなのかな」

そっか、裕介は千聖のこと好きだもんね。


どうする、私。

ここで本当のこと言えば裕介は勝ち目ないって諦めるかな。


生暖かい5月の風に髪がなびく。



「さぁ…わからないけど、裕介も頑張って」


私、何言ってんだろ。

桃井くんは千聖が好きって言っちゃえばよかったじゃん。



でも、私がそう言ったところで
私になびいてくれる筈ないって
心のどこかではわかってたのかも。


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