女子やってます



次の日、重たい瞼を無理矢理開けて学校へ行った。


香苗にどんな顔して会えばいいの?
あたしはあんな酷いことしたのに…

平然と、なんて無理だよね…。



ガラガラ――

みんなの視線があたしに集まる。


「おはよー」

あたしが言うとみんなも返してくれる。


席に向かうと香苗は既に来ていた。

「あ…香苗。おはよう」


あたし今、普通に挨拶できてる?
緊張で何もわからないよ。


香苗はあたしに目もくれず何処かへ行ってしまった。


やっぱり怒ってる…。


その後、香苗が帰ってきたのは授業の直前で話す時間もないまま放課後を迎えた。




「香苗!! 話があるの」

ホームルームが終わってすぐに香苗を呼んだ。

まだ教室にはクラスメイトが沢山残っている。

香苗はバッグを持って早く教室から出そうだった。



「私は、話すことない。話したくもない」


香苗はあたしにそう告げた。


あたしと香苗の間の雰囲気に
クラスメイトが押し黙った。

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