女子やってます


とりあえず外に出て話すことになった。



「今まで吾妻総合病院の息子だって黙っててごめん。でも僕は初めて会ったときからあの子だって気付いてたよ」


何がいいたいんだろう…


「僕、ずっと千聖ちゃんが忘れられなかったんだ。
父親が死んで、ただただ悲しんでいる君の姿が忘れられなかった」


「気にしないでください。手術をしたのが吾妻さんだったわけじゃないですし。
お金で解決する問題じゃないけど、どっちにしたって父は戻ってきません」


「そういう意味じゃないんだ!
僕はあの時不謹慎にも君の姿が綺麗だと…」

吾妻さん…?







「千聖!!」


千聖…?

千聖って呼ぶのは香苗か裏の澪しかいない…



「澪?」


振り返ると案の定澪がいた。


「なんでここにいるの…?」


「なんでって…祝うためだろうが」


澪はゆっくりとあたし達に近づいてきた。

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