ツンデレ専務と恋人協定
こんなことを聞いて私は専務に何を言わせたいんだろう。


「お前に惚れてるからだ」


胸がキュンって締め付けられた。


「それだけじゃねぇ、信用してる。お前は義理と人情だけはあるって」


今すぐ専務の胸に飛び込みたいと思った。

だけど、今は先に自分の幸せよりお姉ちゃんの幸せを見届けたい。

あとで電話をしてお金が用意できたことを伝えよう。


「見つめてねぇで何か言えよ」


考え込んでしまっていた私は何も意識せず専務を見つめてしまっていた。


「えっ、と、夜にちゃんと返事します」

「忘れんじゃねぇぞ」

「はい」


私たちはホテルで朝食と言うか、ランチを食べてから着替えに私の家に寄ってもらい一緒に出勤した。

お姉ちゃんには家に着替えに帰った時に電話をして、通帳にお金が振り込まれていることを伝えた。

これでお姉ちゃんたちが離婚もせず、またお店を営業していけると思うと安心できた。



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