ツンデレ専務と恋人協定
専務と百合香さんの関係
常務に送ってもらいマンションの前までやって来ると、見覚えのある車が停まっていた。

その車の横に立つと、車からは専務が降りてきた。

もしかしたら、百合香さんとロイヤルスイートの部屋にいるんじゃないかと思っていたのに。


「専務、どうしたんですか?」

「泊めてくれ」

「えっ?」


今、なんて言ったの?
聞き間違えだよね?

驚きすぎて目を真ん丸に見開いたまま専務の顔を見ても、専務の表情はいたって真面目そのものだ。


「じょ、冗談ですよね?」

「冗談でこんな時間に来るかよ」


こんな冗談のために来たとは普通なら思えないけど。

でも専務が私の部屋に泊まりに来たなんて、もっと信じられない。


「部屋に帰れねぇんだよ」


部屋に帰れないって一体どういうこと?

まさか、家出とか?


「こんな時間からホテル探すのも面倒だし、いいだろ?」

「えっ、無理ですよ。うち狭いし」

「知ってる。狭いのは我慢してやる」


専務の上からの発言にちょっとイラッとしつつも、無下に帰らすことは出来ない。


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