ツンデレ専務と恋人協定
あなた無しで生きたくない
数日後、お姉ちゃんから呼び出しがあり、お店が休みの日に仕事帰りにお姉ちゃんの家までいった。

お姉ちゃんの得意料理のポテトサラダとロールキャベツが用意されていて、久しぶりにお姉ちゃんの手料理を食べれことになった。


「この味変わらないね」

「美味しい？」

「うん」

お姉ちゃんたちは先に食べていて、一人食べる私をお姉ちゃんは見ている。

春樹さんはテレビの前に座り、お笑い番組を楽しそうに見ていた。


「栞奈」

「ん？なに？」

ポテトサラダにお箸を伸ばしていると、お姉ちゃんが真面目な声で私の名前を呼ぶ。


「あのお金なんだけど」

やっぱり、その話か…。
お姉ちゃんに話したい事があるからって呼び出された時に、お金の話か専務の話だろうなとは予測していた。


「専務さんに借りたんでしょ？」


そう確信をつくお姉ちゃんを見ると、もう誤魔化し切れないのはわかった。

私は黙って頷いた。


「やっぱり」

「この間、彼氏だって挨拶された時、専務さんだってすぐにわかった」


お笑い番組を見ていた春樹さんもいつの間にかボリュームを下げて私たちの話をきいている。


「栞奈ちゃん、専務さんには俺から話して返済するよ」

「え？」


返済するって言っても、お店のやりくりだけで大変だってお姉ちゃんから聞いてる。


「お金の当ては出来たし、そんな心配そうな顔をしないで」

「お金の当てって？」


心配しないでって言われても心配するよ。

だって、たった一人のお姉ちゃんとその旦那さんなんだもん。


「栞奈、実はね、春樹のご両親にお金を用意してもらうことにしたの」

「え？」


春樹さんのご両親も田舎でお店をされていて、春樹さんとはそのお店のあとを継ぐか継がないかで揉めたって聞いてたけど。


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