ツンデレ専務と恋人協定
私は45階と46階のボタンを押し、扉を閉めた。


「この間の話なんだけど…」


エレベーターに乗るなり、常務はさっきまでの声のトーンより低く話しかけてきた。


「俺の秘書になるって話は考えてくれた?」


この間の話って言うから、その話だとすぐに気づいた。


「すみません。せっかくですが、お断りします」

「俺は栞奈さんが利用されないように救いたいんだ」

「ありがとうございます。でも私、どうしても専務がそんなことをする人だなんて信じられないんです」


常務が私のことを心配してくださってるのはわかってる。

だけど、あの噂を信じたくないって思ってる自分がいるんだ。


「そう、わかった。李人が羨ましいよ。栞奈さんみたいな可愛い恋人がいて」


常務はそう言って、45階でおりてしまった。

私もすぐ46階につき、自分のデスクに戻った。



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