初恋イチゴ。˚*
やっぱり私たちが入るとざわついていた教室は
もっとすごい、歓声にも似た声が湧き上がる
いや、春也くんと翠くんに向けられてなんだけどね
「春也くーーん」
「翠くーーーん」
口々に女の子が名前を呼ぶ
余程うれしいんだろう
わかるよその気持ち…
「よー、松豊!久しぶりだな〜」
「三浦も久しぶりだな〜!」
同中だった男子が二人に話しかける
三浦じゃないよ片倉だよ
「お!小花と戸松も同じじゃん!
おひさ〜っ」
「「お久しぶりっ」」
ごめんね、私あなたの名前知らない
あんまり記憶力がいい方じゃないから…
「ったく、女子うるせー」
「春也に向けて黄色い歓声がすごいね」
「お前にもだろ
あんなやって騒ぐ女子マジ無理」
春也くんは相変わらず好き嫌いはっきりしてる
そして翠くんはもう少しモテると自覚した方がいいと思う
「そう言いなさんな春也」
「マジ無理
だから新学期は嫌いなんだよ」
「はいはい、わかったから席つくぞ」
翠くんはまだ嫌な顔をしている春也くんを置いて席に着く
前までは春也くんと翠くんは出席番号だと席が前後だったけど
苗字が変わってしまったから
大分離れた
私ともやっぱり遠いまま
前に比べれば近いけどね
「はーい、席につけ」
そう言って入ってきた担任は
片倉先生でした。