二重人格なあいつ
「ちょ、あんた・・・みんな帰ったよね??」

「ん、ああ。で、なんだよ?」

「今日さ・・・」

「櫻田く-ん!!!」


んあぁ!?


「おーう、石沢ー」


誰よ誰よー!!


「だ、誰??」

「いや、誰って」


何焦ってんのこいつ!?もしかして・・・恋人・・・!?


「櫻田君の、彼女さん??」

「いや、ちが」

「そーでーす!!だから邪魔しないでくださーい」

早くどっかいけっつのー!!てか彼女じゃないんだ。


「ちょ、ちょっとまってね。あの・・・今日一緒に帰ってくれないかな??」

うっ・・・心がなんだか痛い・・・そうかあ、櫻田に先を越されたからだ・・・

てかあたしが彼女だっていってんのに一緒に帰ろうって言うとか・・・度胸あるわねこの

女・・・

「え??ああ、いいけど??」

「じゃあ後で正門ね!!」

「おう!!っで何??」



何、こいつもあの子の事好きなんじゃないの・・・両思いだからって調子のってんじゃない

の!?



「あんた・・・誰よ??」

「だだだだ誰って・・・!!!」

だから何でこいつこんなに焦ってんのよ!!


「ってかなんで彼女だなんていったんだよ、まさかお前俺の事・・・!!」


「ふざけんじゃないわよ。」

「で、用は??」

用・・・??


「ああそうそう!!千円請求するために一緒に帰ってあげようと思ってたけど今日は友達と帰る

から明日に伸ばしてあげようと思って言いにわざわざあのだるい階段を上ってきてあげたの。で

もあんたもあの子と帰るなら言いに来た意味無いわね」

「ああ、それはどうもご丁寧に・・・」

「じゃあ伸ばしてあげた料金とモデルにだるい階段をわざわざ上らせた料金をつけたしで2000

円ね。それじゃあ」

「ちょー!!待てって!!!」

あたしはルンルン気分で春斗の言葉を無視して正門に向かった。






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