二重人格なあいつ
「あら、愛華ちゃんおはよ~♪毎日

大変ねえ、変装なんかして~それに

しても今日は早いわねえ~。」

母さんがドアを開けた。

「おばちゃんおはよう♪まあでも黒い

カツラとカラコンだけだし!!あ今日は

春斗に様があって・・・」

「あらそうなの。春斗!!愛華ちゃんが

きたわよ!!あっ、そうそう!!!

今日もテレビで愛華ちゃん見たわよ♪

相変わらず可愛いわねえ♪♪」

「おばちゃんやめてよ~」

「本当の事よ~。お母さんに似たのね

うちのばかと並んで歩いたらうちの子

がかわいそうに見えるぐらいだもんね

~♪」

「そんなことないよ~。たぶんあたし

おばちゃんに似たんだよっ♪」

「嬉しい事言ってくれるわね~♪」

『あははははは~♪』

 玄関で2人の会話が聞きたくなくても

聞こえるや。

行きたくねえなあ~・・・


 ヤツは高校では『内藤愛美』として

通っている。

変装してても可愛い可愛いと学校中の人

気者だ。


俺がしぶしぶ玄関に向かうと母さんが怒

鳴った。

「こんな、可愛い子待たせていいと思っ

てるの!?さっさときなさい!!!」

「おばちゃんいいよ~」

「まあ優しい!!!ほら、さっさと靴はき

なさい」

「へいへ~い」


―――バタン―――


外へ出ると愛華が寄ってきて・・・

「昨日さあ・・・あたしがプールバッ

クをわざわざ4階までとどけに行って

あげたでしょう??」

昨日・・・??

ああ・・・俺がサッカーの朝練で先に

学校へ行ったときか・・・

あんときにプールバック忘れちゃった

んだよなあ・・・

「おう」

「だから300円払ってよ」

「は!?」

「それに階段を昇るとき角で弁慶打っ

ちゃったんだよねえ~。」

「お大事に・・・」

「これでテレビに映れなくなっちゃっ

たらどうしよ~!!これもアンタがプー

ルバック忘れたせいだよねえ・・・だ

からプラス500円ね」

はああ!?!?

コイツ何考えてんだ??

まあ昔からこうゆう性格だけど・・・






< 3 / 28 >

この作品をシェア

pagetop