こうするしか生きていく術(すべ)がなかったから
お願いだから、踏み込んで来ないで


(一)

……これは私の過去の物語。

―――――

――――

―――

「ななお嬢様、もう少しで着きます」

「ん」

リムジンから見える流れるような景色を目に映す。

久々の日本だけど、あまり乗り気はしない。

三歳でアメリカの超名門大学を飛び級卒業したって何も変わるワケでも無し。

どうせ、私は水崎家の狗になるだけ。

「……ふぅ、退屈だわ」

子供らしからない子供だと良く言われた。

大人びすぎている気味の悪い子供だと。

でも仕方ないじゃない。

“完璧な駒”を求めたのはあなた達大人でしょ?

「……はぁ」

つまんない。つまんない。つまんない。

何か面白いことないかしら。

車が信号に差し掛かり、児童公園が映ったとき砂場で一人で遊ぶ男の子が目に留まった。

「……停めて」


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