これは絶対に恋じゃない



それを見て、少しだけ安堵する。


こういうチャラい男は、苦手。

フレンドリーな男もイマイチ信用できない。


…なんか、刷り込まれてんなぁ、私。



「ほら、凜…真ん中座りな?」


「うん、ゴメン…舞香。ありがとう」


ポソリと、私に言葉をかけ、誘導してくれる舞香にお礼を言って、席に腰をおろした。



「大丈夫だよ。オレらの方もまだ1人来てないし。まぁ、アイツはいつものことだから…もしかしたら来ないかもしれないけど」


目の前に座った男の人、案外、優しそうかも…。



私は彼の言葉に少し頷いて会釈する。



「…じゃあ、まず自己紹介しよーぜ。オレ、矢倉隆。K大の1年です、よろしくー」



私の右斜め前に座る、いちばんチャラい感じの男の人がそう言ったのをきっかけに自己紹介が始まった。




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