砂~限りある時間のなかで~
嬉しいはずなのに。
2月に入り、街はすっかりバレンタインモード。

私もバレンタインをあげようと思っている予定。
受け取って貰えるかは分からないけど。



ただ、私の命はもうない。


あと3ヶ月の命。


恐怖が強くなっていた。

毎日夢には眠ったままの私がいて、家族が泣いてるの。


これがもうすぐ訪れると思うと、怖くて仕方がなかった。



土曜日。

私は一人、外に出た。

ナナセを誘ったけど、彼氏とデートみたいだし。
龍司とはあれから普通のクラスメイトに戻ってしまった。

声を掛けづらいし、メールを送るのも無理。


バレンタインは何にしようかなと、デパートに向かった。


歩き回っていると、恋しい後ろ姿が見えた。


深田くんだ…。



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