俺、お前に惚れてんだけど。


ちょっと待ってよ。


何言っちゃってんの!?


冗談もいい加減にしてほしい。


誤解されるじゃん!!



「付き合ってないからっっ!」



居ても立ってもいられなくなり、あたしは大声で叫んだ。



ザワザワ騒がしかった教室が、あたしの声によってシーンと静まり返る。



誰もが驚いたような表情を浮かべていた。



わー、最悪っ。


初っぱなからやってしまった〜!!



「クスッ。照れなくてもいいのに」



沈黙を破ったのは木下星矢で、彼はあたしの顔を見て「おませさん」なんて可愛く言いながら笑った。



「照れてないしっ!あたしが久間君と付き合うなんて、地球がひっくり返ってもありえないから!」



「おいおい、彼氏に対してそれはヒドいだろ」



次に口を開いたのは久間君。



いや……彼氏じゃないし。


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