堕ちるのに一秒もかからない

声が少しだけ、強ばる


ちらっとこっちをみてニコっと笑う茶髪の彼のせい



毎週土曜日のこの時間に


茶髪の彼は店に来る。


いつからなんて覚えてないけど


ふと気になったときからだからバイトの前から来ていたのかもしれない。


そのぐらい前からずっと目を合わせるだけ。



レジに回ると彼が来る。


そっと綺麗で長い指から置かれるコーヒーのブラックと苺のヨーグルト


いつもこれだ。


『326円になります。ポイントカードはお持ちですか?』

持ってるのを知ってる。

だけども、少しだけ留めておきたくて聞いてしまう。



すっと差し出されるカードを受け取る。



“また来週”


『ありがとうございましたー。』





そんな気持ちで店からでていく茶髪の彼をみてる私…。



行っちゃった…。



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