将来、猫になりたい。
夜景
わからない。
わからない。
わからない。
わからないことが、わかる手前まで来たとき、人はどうなってしまうのだろうか。
どんな感情を持ち、どんな表情をするのだろうか。

わからない。

だがこれは今までの理論とは違う。
誰もが経験したことがあるはずなのだ。
だがこの手前というのは本当に一瞬の間。
誰もがそこに注目しない。
注目すべきはわかったことだと。
わかってしまったことは、そのあと何の面白味もないのではないのだろうか。
重要なのはわかる手前。
手前は言葉で表せないほど複雑だと思うのだ。

では誰がこれを意識するというのか。
この世のなかはわからないことだらけ。
だけど知っている。
これから例の二人がしようと無意識に思っている。

その光景を、見てみたいとは思わないかい?

そして、僕の正体を知りたいとは思わないかい?

残念ながら僕はこの世にもう存在しない。
僕はこれから、あの二人の行動によっては二人を僕のところへ連れてこなくちゃいけないんだ。
大変だろう?
しかも次の二人の行動によっては二人に話しかけなくちゃいけないんだ。
心のなかで、ね。
大変だろう?
僕の正体はもう気づいているかい?
そう、酷く酷く人の人生を語りたがる奴だよ。
いいや、語らなくちゃいけないんだ。
じゃないと君達は、何がなんだかわからないだろう?
そう、君達は結末を、二人の人生を、その意味を、
知りたくないんだよ。
いいや、正しくは知らないんだ。
だってそれはわからないことだからね。
それに君達はまだ知りたくないこととして受け止めてはいないんだ。
それを君たちに気付かせるのも、僕の役目なのかもしれないな。
大変だろう?

だから、知ろうとしてほしい。
そしたら、僕はこの場から立ち去ることが出きるのだ。
それはすなわち…
成仏ってやつだ。
僕って、大変だろう?
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