最後の恋愛Ⅱ
「あ、森さん、大丈夫でした?戻ってくるの遅いから心配しちゃいました。」

そこにいたのは、日下部だ。

よし、日下部!

お前は私の救世主だぞ!

「う、うん大丈夫大丈夫、ちょっと打ち合わせ、話し込んじゃってたの。」

「そうですか?あ、所長、柊先輩が探してましたよぉ?」

ん・・・?

会議、じゃないの?

そう思って振り返る。

大麦は立ち上がり、こっちへ向かってきた。

「そうか、それはいけないな。」

と、私の隣を通り過ぎる。

「あっれ、会議あるんですか?」

そうだよ、それだよ。

3時からって言ってたよね。

機密だから私に用意してって―まさか・・・?

「あ~、うんその予定だったんだけど、先伸びさせるから、ああ、森くん悪いけど資料片付けておいてくれる?」

まさかの、私にアレをするための偽装工作か!

ふるふると震えて、紅くなる顔を必死に意識して抑え込んで言った。

「分かりました。」

信っじられないっ!

大麦っ、とんだエロ親父だっ!
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