新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「片桐さん、お疲れ様でした。」

ハヤテがレナに頭を下げる。

「お疲れ様でした。」

レナも頭を下げるとトモがおかしそうに笑う。

「あん時の片桐さんはケッサクだったなぁ。」

「あぁ、固まってたねぇ。」

リュウも思い出し笑いをする。

「レナは人前が苦手だって言ってただろ?タクミが急にステージに上げたりするからだよ。」

ユウは眉をひそめてタクミを見る。

「いやぁ、1回言ってみたかったんだよね。オレのかわいい奥さんです!!って。」

タクミが悪びれる様子もなく笑う。

「人の嫁で予行演習するな。」

「ユウ、カッコ良かったよ?オレの大事な嫁だ!!オマエには絶対やらん!!って。」

「…それはもう言うな…。」

ユウは顔を赤くしてそっぽを向いた。

そんなユウを見て、相川は笑みを浮かべた。

「相思相愛だねぇ…。」

そこへ、水野が現れた。

「皆さんお疲れ様です。」

「水野くんじゃん、お疲れー。」

水野はメンバーに軽く頭を下げると、ユウのそばに来てさらりと言う。

「あっ、片桐先輩。さっきの、カッコ良かったですよ。」

「えっ?」

「オレの大事な嫁だ!!オマエには絶対やらん!!って。」

水野の言葉に、ユウはまた顔を赤くして頭を抱えた。

「水野…もうその話はするな…。」

そのやり取りに、メンバーたちはまた大笑いした。

「片桐先輩は昔から、誰がどう見ても、高梨先輩のことが大好きでしたもんね。」

水野は笑ってそう言うと、レナの方を見た。

「高梨先輩、良かったですね。」

「…うん…。」

レナが照れ臭そうに微笑んでうなずくと、水野は満足そうに笑った。


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