新婚の定義──嘘つきな君と僕──
スタジオでの練習を終えたメンバーたちが、テレビ局へと向かう時間になった。

(私は帰ろうかな…。)

レナが荷物を持って立ち上がると、タクミがレナのそばに近付いて来る。

「あーちゃんも一緒に行こ。マネージャーに、関係者のパスもらえばいいよ。」

「えっ…でも…。」

「大丈夫だよ。テレビ局、初めて?」

「うん…。」

「今日は生放送だから早く終わるし。目立つの嫌なら、変装でもする?帽子くらいなら貸せるけど。」

「あ、うん…。」

レナはバッグから眼鏡を取り出してかけると、髪を上げてタクミに借りた帽子に押し込んだ。

(レナ、首…!!色っぽ過ぎるから!!)

ユウは慌ててレナの被った帽子を取り上げ、髪を下ろした。

「髪は上げなくていいから。」

「えっ?!そう…?」

ユウの不可解な行動を不思議に思いつつも、レナはユウに言われた通りに髪を下ろしたままで帽子を被る。

「これでいい?」

「うん、かわいい。」

そんな二人の様子を、またもやメンバーたちはニヤニヤしながら見ていた。

「ユウって意外と亭主関白?」

「いや…あれは首フェチだな。」

(首フェチ?!)

ユウの言っていた言葉をふと思い出して、レナは真っ赤になった。

(確かに…ユウ、私の首筋が色っぽいって言ってた…。なんか…急に、恥ずかしい…。)




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