新婚の定義──嘘つきな君と僕──
「はぁ…。」

一体なんの話だろうと、レナは首を傾げる。

「レナちゃん、学生時代の音楽の成績は?」

「5段階評価の5…でしたけど…。」

「すげーな。音楽得意だったんだ。」

「まぁ…そうですね…。」

「レナちゃん、進学校でいつも成績がトップだったって、ユウが言ってたけど、ホント?」

人前で歌うのが苦手だったレナは、よく先生に頼んでテストの順番を後回しにしてもらった。

テストさえクリアできれば、元々音楽の好きなレナは、いつも音楽の成績は5だった。

そのおかげで他の教科も優秀だったレナは、通知表はいつもオール5で、テストの順位はいつもユウと首位を争っていた。

「いつもではないですよ。ユウと争ってた感じです。」

「ああ…アイツも頭いいもんな。オレのせいで高校中退させちゃったけど…。」

ヒロはタバコに火をつけると、少し笑ってレナを見る。

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