自惚れ男子の取説書【完】

 3



大通りの人混みをかき分け、ひたすら先を急ぐ私は焦りまくっていた。




ブーブーブー


「はいっ、も「もしもし、琴美っ…!?今、どこよ!」」


スマートフォンを鳴らしたのは、待ち合わせにいつまでも現れない私を心配した美佐だった。


「ごめ、1本道間違ってた!もうすぐ着くはずだから!!」



私の応答を聞くか聞かないかのタイミングで、前方看板の前に立つ背中が振り返った。



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