Colorful lovers




踊子が目の前の大きな教会を見上げてホゥッとため息をついた。


中のステンドグラスだけでなく外観も美しいこの建物は、今日俺たちの新しいスタートを見守ってくれる。



「いよいよ……だね」



呟いて俺の腕に自分のそれを絡めてきた踊子の頭をありったけの優しさで撫でてやった。



頼りなくて、いつも小さくなって隅っこで全てをやり過ごすことばかり考えている歳の割に幼いオンナノコ。



それが踊子の第一印象。



そんなオンナノコがあっという間に自信を手に入れ、自分の足ですっくと舞台の真ん中に立つ美しい女性になった。



小さな原石だと思ったらとんでもないパワーを持ったスーパーストーンで自分だけじゃなく俺のこともあっという間に変えてみせた。




こんなとんでもない宝物を俺は一生自分だけのものにする。






< 49 / 96 >

この作品をシェア

pagetop