終わらないMelody【短編】

おまけ♪ ―新side―

――…俺は、さっき勢いに任せて、口走ったあの“言葉”を後悔していた。

いや、正確には、後悔はしてないけど、先輩がこれをどう受け止めたのかが、心配だった。

恐る恐る、俺は先輩に話し掛ける。

「あの…先輩」


「ん?何〜?」

俺の問い掛けに、先輩は満面の笑みを向けてくれた。

あ゙あぁぁぁ〜!

もう、マジ可愛すぎ…。
反則だっつーの…。


今すぐ抱きしめて、犯したい衝動に駆られるが、必死に我慢。

ここでいきなりヤッて、先輩に嫌われたりしたら…。

考えるだけでも恐ろしいので、俺はその思考を、即座に捨てた。

発情期のイヌネコであるまい、それぐらい、我慢出来ないでどーする?

俺はそんな邪念と格闘していた。


「呼んどいてシカトって、無くない?」

悶々としてる俺に、膨れっ面で話し掛けた先輩。


…その顔―…超ヤベェっ!


きっと俺、今、百面相中。

先輩がすっげー不思議がってるし。

まぁ、それは置いといて……(いいんかいっ}


「あのですね…さっき、勢い余って、先輩のこと『七世』って、呼び捨てしちゃったじゃないスか?

あれ…嫌だったかなぁ…と思って……」


俺がオロオロしながら話すと、先輩は、キョトンとした顔で見上げてくる。

あ゙ー本当、ヤベェ。

俺の“息子”が、中々言うことを聞かない。

俺は小さく深呼吸し、先輩の次の言葉を待った。


「まぁ…嫌じゃないけど、嫌かな」

「……?」

先輩の、よく分からない発言に俺は首を傾げた。

すると先輩は、クスクス笑いながら続ける。

「『七世』って名前、呼んでくれるのは嬉しいけど…あたし、新に『先輩』って呼ばれるの、結構好きだから。なんか可愛いし」


ああ…この人は、何も分かってない。

貴女の笑顔、仕種、言葉に

俺がどれだけ惑わされるのかを――…。


俺はフッと小さく笑うと、先輩に極上の笑顔を向けた。


「分かりました、

七世先輩っ!」





END



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