冷たい彼-初恋が終わるとき-




誘われて入った桐生君の家は、がらんとしていた。


構えの大きな家は、中も広くて豪勢。誰もいないみたいで、静かだ。片付けてあるのか、玄関にも靴がなくて生活感に欠け、本当に住んでる人がいるのか疑う。


親御さんと会うことを考えて少し緊張してたけど、居ないのかな。きょろきょろと目をさ迷わせてると、桐生君が言った。




「…親はいない」

「え、」




マズイことを聞いてしまった。そうピシリと固まる。


私の様子に気付いた桐生は、あーと溜めてから弁明してくる。




「…違う。仕事で海外に行ってるだけだ」

「そ、そうなんだ」




一瞬、不孝を想像して固まった顔はホッとして柔らかさを戻す。 親御さんは海外だと、桐生君は一人ってこと。誰をいない寂しい部屋に、毎日帰ってたんだ…。




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