冷たい彼-初恋が終わるとき-
許されないほど切なくて

蓮side






小学2年。

進級してクラスの離れた日莉が連れてきたのは、太陽みたいに朗らかに笑う男と、鷹のような目をした黒く冷たい男だった。

ふたりを引き連れて歩く日莉に、俺も必然とふたりと絡むことが多くなる。



「蓮ってトロいよね」

「…あ"?」

「日莉に見惚れすぎ」



乙樹の手を握る日莉を見てぼーっと突っ立っていれば、横から槍が飛んできた。

鼻で嘲笑うのは芽生。



「ご、ごめんな?蓮。芽生も悪いやつじゃねえんだ。何も蓮を馬鹿にしたわけでもねえし、」

「馬鹿にしたよ」

「め、芽生!?」



フォローも虚しく終わりあたふたと慌てる乙樹。

コイツ…とどす黒いオーラを背後に纏って睨むも飄々と交わされる。もう無理。コイツとはぜってえ仲良くなんてなれねえ。そう内心悪態づくも、それを見て「仲良いねぇ!」と無邪気に笑う日莉に場は白ける。



「…はあ」

「ちょ、待てよ!芽生!」

「えっ、待ってよ乙樹~!」



ため息をつき、帰ろうとする芽生を追い掛ける乙樹を、追い掛ける日莉。
いつも、こんな感じだった。
俺の目の前には赤いランドセルがひとつ。
そしていつからか増えた黒いランドセルがふたつ。

すたすた先を歩くマイペースな芽生に合わせる幼なじみの乙樹。乙樹を追い掛ける俺の幼なじみの日莉。それを後ろから見つめながら歩く、俺。
ーーこれが定位置であった。



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