冷たい彼-初恋が終わるとき-










着かれていかれた先は裏庭だった。


中庭ほどない裏庭の花壇に植えられた花は、水やりをされた後なのか、露できらきらと輝いている。


用務員さんが水やりをしたのかな。生気に満ち溢れた瑞々しい花に目を奪われていると、視界の端にいる落合君が口を開いた。




「いきなりごめんね」




抑揚のない声はあきらかに悪いと思ってるトーンじゃない。


スカートをギュッと握り締める。


何で、私は落合君に呼び出されたのだろうか。訳が分からない。私には直接的な接点はなかったはずだ。だってまず、話すことがない。


隠れファンクラブもあって、世紀の美少年と名高い落合君に呼び出される覚えなんて、無いのに。客観的に見て、幼なじみの彼女、彼氏の幼なじみ、と言うだけ。




「僕は君に聞きたいことがあったんだ」

「…わ、たしに?」

「うん」




悪い話じゃないのか、怒るわけでもなければ、何かを咎めるわけでもないフツーの語り口で話しかけられて、戸惑いを隠せない



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