夜人【ヨルヒト】さん
「ええ? 誰だよこんな時にー!」

塗りたての爪が触れないよう気をつけながら、ベッドの上に置いていた携帯を拾い上げる。

メール画面を開くと、メール発信者の名前が目に飛び込んできた。



【バカ女】



「……はあっ?!」

思わず声が出た。

エミカの携帯は、確かに旧校舎のトイレで踏みつけて折った。

折りたたみが二つに折れるまで、3人でかわるがわる踏んだはず。

靴底から伝わってきた衝撃も覚えている。

「あのケータイが使えるわけないじゃん……」

だが、画面にはエミカの登録名が表示されている。
< 12 / 199 >

この作品をシェア

pagetop