夜人【ヨルヒト】さん
肩で息をしながら、トキコは携帯を見つめた。

真っ暗になった画面に、怯え切ったトキコの目が映っている。


『トキコオォ……』


耳の奥で、恨みを込めたエミカの声がよみがえった。

「嫌ァ!」

叫び、携帯を床に投げる。

布団を頭から被り、トキコは震えが止まらない身体を抱き締めた。
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