夜人【ヨルヒト】さん
はあっと大きく息を吐き、サナミは天井を仰いだ。

「もう、チサエまであんなバカ女に振り回されるなんて」

「…………」

「さ、戻ろ」

視線を戻す。

うずくまっているチサエに、違和感があった。

「……チサエ?」

声をかけ、その肩に手を伸ばしかけて止めた。

チサエより髪が長い。

チサエより肩が細い。



ゆっくりと、チサエが振り向いた。
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