私は初めから病気だったワケじゃない!!
必死に歩いて、
自分の席まで辿り着いた。

ホッとした。

「ねえ……。」

トナリノ、セキノ、コ。
「遅かったね。」

彼女を見たけど、
すぐに、
担任の先生が来たので、
返事をする間が無かった。

「起立!」

ガタガタ皆が立ち上がる音がした。

私は、ぼーっと、
眺めていた。

ナンダカ、センセイガ、
コッチミテル。

アセッテイル?



私の記憶が、
途絶えた。

後で聞いたら、
けいれんの大発作を、
クラスメートの見ている前で、
起こしていたのだという……。

私の場合、
意識が無くなり、
意識が戻るまでの事は、
一切記憶が無いの!

座っていた椅子の背に、
もたれかかって、
けいれんを起こしていたんだそうだ。


「私が通りかかったから、
良かったのよ!」

コエガ……スル。

アジ!?

ユビノ……アジ?

ユビガ……クチニアルナンテ!?

暗かった視界が、
少し見えてきた。

コノヒトハ?

ダレダロ?

ホケンノ……センセイ?

ホケンノ、センセイッテ、
コノヒトダッケ?

コンナニ、チカイト、
チガウミタイ!?

デモニテイル!?

アレ?

保健ノ先生ナニシテイルノ?

ユビノアジハ、
コノヒトノ、ユビガ、
ワタシノ、
クチニハイッテイテ、
ベロヲ、
オサエテイルノ?

「私が通りかかったから、
良かったのよ!」

テンパッタ……センセイノコエガ……スル。

ナンデ、クチニ、
ユビツッコンデルノ?

ヤダ……。



クラクナッタ……。


ユラユラ、
ユレテイル……。



「階段、気を付けて!!」
オトコノ、センセイノ……コエ?
トナリノ、クラスノ、タンニン。


ナゼユレテイル?

ユリカゴミタイダワ♪

キモチイイ……。


実は椅子ごと私を、
先生方が、保健室へと、
運んでいたんです!

ただ揺れていたって感じていた私は、
状況が判断出来ない。

たまたま通りかかった保健の先生が、
てんかんの発作を起こしていた私に、
舌をかまないように、
指を入れて、
舌を押さえていたのだという……。

当時、てんかんの発作を起こしている時に、
舌をかまないように押さえるという対応は、
ちょっと古くなっていたようで、
押さえなくて良いとも言われているんだって。
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